No.32

子どもだけでなく、親も変わっていかないと、家には戻せない

不登校の始まり

小学校5年生から不登校が始まりました。
最初は、学校内でのトラブルが原因でした。その時は、「まさかうちの子が！」と思いました。
そして、子どもの事について話し合う度に、「どうして、先生や学校はきちんと対応してくれないのだろう？」と自分の要求ばっかりを思っていました。
時間が経つにつれ、解決するというより、ますます悪くなっていくように感じました。
そこで、「どこか、解決できる場所を」と思って、あちこち、いろいろ探して歩きました。
そして、「ここだ」と思って元気学園を訪ねて来ました。

始めて電話をした時、先生の話にとても感動しました。
最初の面接には、子供を連れてこれなかったけれど、一言一言が、とても感動するものでした。それと同時に、ズバリと、とてもきついことも言われました。
「子供は、預かったら、ここで変わっていくけれど、それと同時に親も変わっていかないと家に戻せないですよ。家にかえった時に、また、同じ事が起こりますよ。」と言われて、自分たちが、今までと同じではいけない、子どもをきちんと育てていかないといけないと思いました。

親の決断が大切

入学にあたって、すぐに、「うん」と言うとは思えませんでした。
でも、ここにいる生徒さんたちの姿をみて、「うちの子もこんなふうに育って欲しい。」と思ったことと、「元気学園の先生になら、安心して子どもを預けることができる。ここなら、きっと助けてくれる。自分たちの悩みも解決してくれる。」と思ったので、決心をして、我が子に、それを伝えようとしました。また、私たち夫婦だけでなく、私の両親の力も借りました。
「こうしよう」と思ったら、親が心を決めることが大切だと思います。
そうすると、子どもが動きました。
驚きました。てこでも動かない、そう覚悟して、全く受け入れようとしないだろうと予想していたのに。
親が心を決めたら、子どもはそれを感じるものだと実感しました。

入学後も、面談の度に、「子どもの方はとても順調に教育がすすんでいます。さて、あなたたちもそのスピードに合わせて変わっていかないといけないですよ。」という話をたくさんしてもらいました。
それは、私たち夫婦の足りないところ、また、子どもとこれから幸せに暮らしていくことのアドバイスを、短時間で教えてもらったのだと思います。

子どもを預けて

子どもを預けて、1週間後、2週間後と面会に行くと、その度ごとに変わっているのが明らかに分かりました。
勉強している姿を後ろから見ると、背筋を伸ばして、集中していて、今までの家の姿を思うと、信じられませんでした。
1ヶ月もすると、本人も私も安心して面会に行くことも少なくなっていきました。
休みに家に戻ってきたとき、「学園はどう？」と聞くと、「とっても楽しい。」と言います。
慣れない寮生活で、たいへん苦労をしていると思っていて、心配ばかりしていたのは、親のほうで、子どもは、皆さんにかわいがってもらって、幼いときのかわいらしさのようなものを取り戻しているような感じがしました。

子どもと向き合うのが大事

子どもが保育園に入ったとき、私も「社会で能力を生かしたい。社会と関わっていたい。」と思って、国家資格を取るための勉強を始めました。でも、今では、自分の事に一生懸命になってしまって、きちんと向き合っていなかったのだと思います。自分では、世話をしているつもりだったけれど、要求していたことと違っていたのかもしれません。
元気学園に出会って、子どもときちんと向き合うことができ、そして、その時間の貴さを、喜びとして感じることができるようになりました。

学校に復帰して

学校に戻って、勉強の遅れもなくて成績も良く、友達もでき、とても順調に過ごしています。
子供が一番「変わったな」と感じたのが、宿題のことで、親子喧嘩をした時、しばらくしてから、「悪かった、ごめん。」と謝ってきたときのことです。
今まででは自分から謝るなんて、考えられませんでした。
素直にしてもらったのだと思いました。

親子の会話

今は、学校から帰ると、すぐに職場に電話してきます。
そして、学校であったことをいろいろと話し出します。
今までは、決してそんなことはありませんでした。
職場に電話をしてくることもないし、家でも、学校の話は一切しませんでした。
今はそれにとても幸せを感じます。