子どもの不登校や引きこもり、待ちましょうが主流ですが、元気学園は、ただ「待っているだけ」ではいけないと思っています。
長い休みの後には、魔法がおこって、変身できればよいのですが、一人でいる時間が長くなればなるほど、孤独感を強く持ちますし、家にじっとしている期間が長くなればなるほど、体力もコミュニケーション能力も低下してしまいます。
車で例えると、一度冷えてしまったエンジンをまた再び動かそうとするのは、エネルギーがたくさん必要なように、人間の体も同じです。
冷える前に何かしらの手だてをうったほうが問題を長期化することを防ぐことができます。
また、社会との接点を失ったり、学校という教育システムをすべてなくしてしまった場合、不登校や引きこもりの期間が長くなればなるほど、同級生との差は開く一方です。
特にプライドの高い子の場合は、それをどう解決するかを考えた手だてを、早急にうつ必要があります。
休ませるにも休ませかたがあります。
体を休息させることが必要なのか、それとも心をリラックスさせることが必要なのか、状態に応じたケアをしない限り、時間は過ぎるが、何もかわらないということにもなりかねません。
ですから、子どもの今の状態を見極めるのが一番難しく、一番重要なことです。
元気学園ではそれを面接相談で行っています。
家族が腫れ物に触るように扱ってしまっていては2次的、3次的な問題が生じます。
また、学童期の子どもは体が成長していきますから、思春期に入ると、新しい要求が生まれ、それがまた、新しい問題を引き起こします。
中1の夏以降になると、自己というものが強くなっていきます。
すると、「自分はそうは思わない」という気持ちが問題解決にブレーキを掛けてしまいます。
さらに、思春期と相まって、自分の容姿に対するコンプレックスなどの新たな解決しにくい問題もでてきます。
また、それに連動して、親子関係が険悪になり、問題がこじれる傾向にあります。
他人に不信感をつのらせるのもこの頃です。
だから、不登校は中2が鍵なのです。
このように一言で不登校といっても、順次段階を追って、さらなる悪循環が生まれる状態があり、できればそれを一刻も早くくい止めるには、困ったことを引き起こしている原因の部分に焦点をあてて、教育的に乗り越えていく必要があります。
子どもの今の状態が把握できれば、それに対して本人に必要なこと、親や兄弟がすべきこと、家族だけではどうにもならないこと、に分けて協力し合えば、必ず良い方向にすすむと信じています。