No.22
母
高校生・男子
進学校
起立性調節障害/朝起きられない
ゲーム/ネット/スマホ依存
「本人の気が済むまで休ませてあげてください」と言われたが…
どのくらいから、「おかしいな、不登校かな」と思い始めましたか?
高2の1学期に入ってすぐ、1か月の間に1~2日休むようになりました。
朝起きれなくなり、促してやっと登校することが度々あり、疲れているのかなと思っていたところ、6月に入って、とうとう布団から出なくなって、丸1週間お休みしました。
学校の先生と電話で話したり、父親と2人で登校し、担任の先生と3人で話をして、登校するようになりましたが、期末試験の前日に部屋に閉じこもり、寝ないでゲームに没頭する様子に「もう学校に行くことをやめたんだな」と分かりました。そして、試験当日から学校へ行かなくなり、それ以来8ヶ月1度も登校しませんでした。
思い返すと、高校1年のころは学校へ行くのを嫌だと言ったことはありませんでした。
地域では進学校で、文武両道でやっていましたが、毎週末の部活動の練習試合で早朝に集合するのですが、無断で欠席するようになっていました。
信用を失うから行かなければだめだと、親が気を揉んでいるのに平気で寝ているような事があり、そんな事をするような子供ではなかったのに、勉強や部活、塾と、子供のキャパを超えて、一杯いっぱいになっていたのかもしれません。
不登校になって、まずどうしましたか?
先生に相談し家に来て頂いて、子供と話をしてもらったり、思春期外来へ連れて行って、カウンセリングを受けました。カウンセリングを受けても、「戻るには3年ほどかかります。本人の気が済むまで休ませてあげてください」と言われて、何も解決しないのでがっかりしました。
前向きにまた取り組んでほしいのと、家族以外の誰かと関わってほしかったので、主人の知り合いの若者に来てもらい、勉強を見てもらったりもしました。
もとの高校に戻ることは出来ないだろうと思い、通信制高校の見学へも行きましたが、いざ校長先生の面接を受けようという前日に「絶対行かないからな」と願書をくしゃくしゃに叩きつけて私に見せ、絶望で涙が出ました。
その時、家族として、1番困ったことは何ですか?
他の同級生たちは、今も普通に学校に通い、授業を受け、部活動に頑張っているのに、我が子は昼夜逆転生活で、家族に暴言を吐いたり、ご飯を用意しておいても夕方までそのままで、部屋から出ず眠っている。
当たり前と思っていた生活が当たり前でなくなったことがつらかったです。
子どもの不登校の原因は、何だと思っていましたか?
先生がブログで書いていらした、学力と、経験力や思考に差があり、自信を失ってしまったことや、友達のからかいがあったのかもしれません。
また、それは、不登校の初期と、時間が経ってからでは同じでしたか?
不登校の初期の頃は、それでも楽観的で、焦りはないように見えましたが、長引くようになると、イライラが高まり、人生を諦めているような感じでした。
どうやって元気学園を知りましたか?
ネットで不登校やひきこもりのことを調べて、息子が通える学校はないかと探していて、元気学園にたどり着きました。
連れて行ってみようと決めた理由は何ですか?
ブログや学校の施設の画像を見て、ここなら息子が動き出せる、地元では不登校の自分を見られたくなくて隠れるようにしていたので、地元から離れた方がいいと思ったのもあります。
どのようにして連れてきましたか?
「軽い気持ちでいいから行こう」と誘い、意外とすんなり一緒に来ました。
不登校で家に引きこもるようになってから、頑固で偏屈な部分がきわだって来て、普通のことでも拒否されることが多かったので、意外でした。
2度目は私と親子喧嘩をしていまい、行くつもりになっていたのに間際に拒絶されました。その時を思い返すと、子供よりも不登校の子供を抱えた私の方が、おかしくなっていたのだと思います。その日、息子は動かなくても、夫婦だけで学園を訪れ、先生のお話を伺い、益々息子を入学させたいと思いました。帰宅し、心から私の思いを伝えたら、子供も何かを感じたようで、3度目は一緒に来ました。
学園にきて、親としてよかったことは?
何よりも子供が前向きになったことです。優しく素直になったことです。
不登校になってから、主人が体調を崩してしまい、そのことを気にして、いつも会うたびに体調を気にかけています。
それと、ゲームやアニメ以外にも興味の対象が増えて、勉強も熱心ですし、先生から教養豊かな話を毎日聞くことが刺激になって、たくさん吸収したいと考えているのが伝わります。
「いろいろ経験を積んで大人になりたい」という思いもあるようです。
もし学園にきていなかったら?
学園に入学していなかったら、普通に時が流れてしまい、今でも不登校引きこもりの状態が続いているかもしれません。家族との関係も悪化し、現在のように仲睦まじく話せていなかったかもしれないと考えると、この学園に来られて良かったなあと思います。
いま、不安に思っている人や、悩んでいる人へのアドバイス
子供と親が離れて生活することによって、お互いに大切に思い、子供のみならず、親も成長させて頂いています。
子供には前向きにたくましく生きていってほしいので、そのためにもここでの経験は、きっと役に立つと信じています。