不登校を心の問題にはしない
不登校は、心の問題だととらえている方が多いのですが、そうではありません。
心は、大切だけれど、不登校の原因の最初にもってくると、長引かせることになってしまいます。
やる気がなく無気力なのは、心だけの問題なのでしょうか。気持ちが落ち込む真の原因を取り除かなくては、問題は解決できません。勉強が分からないなら、分からないところをなくす。人間関係が苦手なら、人と仲よくする方法を学ぶ。そのように実力をつけることが先ではないかと思うのです。
不登校の根本的な原因は、実力の問題にあり、
心の問題は実力をつけることにより解決していくのが正しい順序だと考えています。
心の問題に見えるのは、「イヤの壁」
不登校を理解する際、子どもは「イヤの壁」に囲まれていると考えると理解しやすいと思います。
「イヤの壁」は3重構造になっています。
一番子どもに近いところにあるのが、第1の壁です。
これは不登校の根本的な原因にあたるもので、体力・学力・コミュニケーション能力などの実力不足により形成されるイヤの壁です。
次にできるのが、第1の壁の外側にあって、親と対面している第2の壁です。
これは不登校を起因とする親子間の葛藤によって形成される壁です。子どもの将来を思って、親が「学校へ行け!」を繰り返すほどに、子どもは親の理解のなさにへそを曲げ、拒絶を強めていきます。そのほか日常生活における些細な親子間の摩擦により、第2の壁は少しずつ高く、厚くなっていきます。
そして、第3の壁は、第1の壁と第2の壁の間に形成され、不登校の期間が長くなればなるほど大きく育ってしまう時間の壁です。何もしない時間が長くなればなるほど、学校復帰や社会復帰の障壁は高くなります。
不登校の根本的な原因は第1の壁であるにも関わらず、多くの親子は第1の壁には取り組んでいくことができず、
第2の壁の前で佇み、そこで止まっている間に第3の壁が高くそびえたってしまうのです。